ZOIDSWILD Another world adventure #1(新)
何年か経って設定が色々変わって来たので1話から書き直し(続くとは言っていない)
「行ってきまーす!」
家から元気よく出てきた中性的な風貌の少年ストームは、玄関近くで待機していた青いラプトールにまたがる。
「よいしょっ。それじゃ、行こっか。」
そう言うと、ラプトールと共に5km程離れた隣村へと出発した。
「もう聞いたかな、あの村、新しいゾイドを復元したんだって。」
「楽しみだね。」
彼への返事としてか、ラプトールが軽く吠える。
「ふふっ、やっぱり、ラートも楽しみなんだ。」
ストームはまた笑いつつラプトールに話しかける。
「よしっ、着いたね。降ろしてくれる?」
ラプトールが地面近くまで首を降ろし、ストームが降りる。
「ありがと、ラート。あっ、ロットさーん!」
その声を聞き三十代程の男性がストームとラプトールの所へ歩いてくる。
「こんにちは、ストーム君。いい時に来たね。」
「こんにちは。新しいゾイドが復元されたって聞いて、来たくなっちゃいまして。」
「もうその話がそっちまで…。よーし!お披露目だ!出していいぞー!」
ロットがガレージの方向へ叫ぶ。
直後、ガレージのシャッターが開き、紺色に塗装されたゾイドが飛び出す。
「カブター!!希少種じゃないですか!すごーい!!」
歓喜の声をあげるストーム。
「そうさ、3日前に発掘してね。大急ぎで復元に取りかかったよ。」
「そして昨日、復元完了!カブターが再び動いたわけさ。」
「ついにこの辺りでも飛べるゾイドが!塗装もカッコいいです!」
「いい色してるだろう?」
「はい!…ん?」
ストームが村の外の森へと視線を向ける。
「どうしたんだい?」
(…ファングタイガー?)
「おーい?」
「あっ、はい!」
「いきなり森のほう向いて。なにかあったかい?」
「いえ…何も。」
(気のせい、だよね…。色も違ったし…。)
ファングタイガーはこの島では超がつく程の希少なゾイドであり、現在3,4体しか生息していないとされている。
そんなゾイドだからこそ、ストームの一番の憧れである。
その憧れが幻覚でも見せたのだろうか。
「それじゃあ、僕はこのあたりで。」
「あっという間だったね。じゃあ、元気で。」
「ロットさんこそ。また来ますね!」
「帰ろっか、ラート。」
ラプトールとストームは帰路についた。
「カブター、カッコよかったね。いつかはうちの村でもゾイドをもう2体くらい…。」
彼らが住んでいる村は発掘等はあまり行われておらず、ゾイドはストームが7年ほど前に少し離れた場所で発掘したこのラプトールのみである。
「ただいまー、母さん!」
「お帰りなさい、スーちゃん。ご飯できたわよ。一緒に食べる?」
「食べる!」
「うふふ、わかった。それじゃ、」
「「いただきます!」」
「どう?いいもの見てこれた?」
「たくさん見てきたよ!」
「向こうで復元されたっていうのは何のゾイドだったの?」
「カブターだった!」
「あっ、お母さん分かるよその子。このあたりにはあんまりいないって言ってた子でしょ?」
「うんうん!」
(もう9時になっちゃった。もうすぐ寝なきゃ。)
(ファングタイガー…何だったんだろう…本当にいたのかな。)
1話はこれで終わりです。直感で書いてるからいろいろ危ういな、これ…
2話は…いつになるかなぁ、年単位空くかな…